湯村温泉情報

八香園　千人風呂の源泉風景（９代目奥村正右衛門所蔵）

湯村の温泉成分はどこも比較的似ていますが、よく地盤が３層からなっているといわれます。大きく分けて１００M位まで、２００M位まで、４００M位までのところから温泉が湧出していますが、その深度によって３つの成分に分けられています。
ナトリウム・カルシウム－塩化物泉（低張性弱アルカリ性高温泉）
ナトリウム・カルシウム－塩化物・硫酸塩泉（低張性弱アルカリ性高温泉）
ナトリウム－塩化物泉（低張性弱アルカリ性高温泉） etc…
源泉は１２箇所あります。その温度は平均４０．８度です。つまり加水をせず、加温も殆ど必要がない泉質の変化を最もさせずに使える温度ということになります。
湧出量は１分間に８３０リットルですから、大きなペットボトルでなんと４６１本分となります。１日では１，１９５，２００リットル（ドラム缶５，９７６本分）です。ちなみに有名な黒川温泉は源泉数３１本で毎分２，４８０リットルですから、湯村温泉の温泉がいかに豊富かお分かりいただけると思います。

湯村温泉 周辺ガイド

湯村温泉は大小併せて11軒の旅館が立ち並び、純和風旅館から、バンケットホールをもつ近代的なホテル、温泉民宿・ビジネススタイルのホテルと多種多様なスタイルの宿があり、そのほとんどの宿が自家源泉を所有しています。
中には洋画家の中村宗久や、江戸川乱歩・横溝正史の小説に挿絵を書いた竹中英太郎のように、湯村温泉に居を構えて創作活動をした文人画家もおり、現在湯村山の中腹には竹中英太郎の遺作を見る事の出来る記念館や、湯村温泉の中心ある旅館組合事務所裏手には、湯村ゆかり人物資料室が開館しております。

厄除け地蔵尊塩澤寺

弘法大師開湯伝説　西暦808年（大同3年）に遣唐使の一人「弘法大師（空海）」が東北巡業の帰り路。湯村温泉に立ち寄り、道を塞ぐ大石を魔法のように杖で退けたところ、その大石の下より湯が湧き出でたと伝えられております。厄除け地蔵尊塩澤寺では、この時弘法大師が掘った仏像を秘仏として受け継ぎ、毎年2月13日正午から14日正午まで、厄除け地蔵尊大祭（やくじぞうさん）を開き、多くの老若男女が訪れます。

信玄と湯村温泉

武田流軍学を記したとされる甲陽軍艦にも、武田信玄公の入湯記録が残る、信玄のかくし湯の筆頭とされる湯村温泉は、信玄の父である信虎の時代から防衛の拠点として、山城を築き最後ののろし台として活躍した湯村山を背に、半径５００ｍ程の小さな温泉郷です。

愛されていた湯村温泉

戦国時代が終わり、江戸末期には浮世絵画家の葛飾北斎にも描かれ、明治・大正・昭和と井伏鱒二・太宰治・松本清張・飯田蛇笏などの文人画家に愛されて来ました。

湯めぐり手形

湯村温泉ではご宿泊者に湯めぐり手形を差し上げております。この手形をお持ちになると、宿泊日＋1日の間は湯村温泉旅館組合加盟の温泉宿に、一か所500円で入浴する事が出来ます。（繁忙期やメンテナンスで入浴出来ない施設もございます。）